東京医科大学整形外科学分野の立岩俊之と申します。先日思いがけず救急対応する出来事に遭遇し、消防総監感謝状を拝受致しましたので、その体験を皆さまに共有させていただきたいと思います。

9月8日の夕方、蒸し暑くまさに雨が降り出しそうな湿気の中、近所の商店街を歩いていると前方に人だかりができ騒然としていました。急いで駆け寄ると、ざわめきの中心で大きな声で指示を出している人物が見え、それはまさかの私の妻でした。聞けば、湿気で滑りやすくなったタイルの上で、杖をついた70代位の男性が目の前で足を滑らせ、倒れて頭部を強く打ち意識がないとの事でした。妻は直後に意識と出血を確認し、救急要請とAED確保を指示していました。私は状況を引き継ぎ、妻と、協力を申し出た看護師とともに心肺蘇生を続けながらAED到着まで対応しました。5分ほどでAEDが届き2回のショックを実施しましたが、意識は戻らず死戦期呼吸が続いていました。救急隊が到着し引き継ぎましたが、後日男性が意識を回復し、2日後にはリハビリを開始したと聞き、当時の状態を思うと大変驚くと同時に安堵しました。

この出来事を通じて、突然の状況で求められる迅速な判断と、周囲を巻き込む力こそが人命救助の要であると改めて実感しました。そして何より、妻とともにこうした場面に向き合えたことは、私にとってかけがえのない経験と励みになりました。

突然の緊急事態において、迅速な判断と冷静な対応を実践されたこと、そして奥様と共に、周囲の方々と連携しながら人命救助にあたられた姿勢は、医療者としての使命を体現するものであり、医局一同、大きな誇りと励みとなっております。
今回の出来事が、多くの方にとって「いざという時」を考えるきっかけとなれば幸いです。