立位をとる時、歩く時に骨盤は重要な意味を持つ。
若者の場合は骨盤が前傾しているので普通に歩いていても骨盤に大きな揺れは無いが、高齢者では脊椎が垂直化し骨盤が後傾しているので、歩行時は股関節の被覆をかせぐために骨盤が前傾しやすくなる。
腰曲りがある場合とくにそれが顕著である。
ただ立つだけならば、骨盤を後傾することで立つことはできるが、歩くとなるとそうなかなかそうはいかない。
大腿骨頭を股関節がある程度被覆しなければ足が前にでないからである。
そのため、姿勢良く骨盤が後傾した状態で歩こうとすると自然と歩幅が狭くなる。
静止立位でのX線から歩行時の姿勢を類推できたならば、手術計画に大きく役立つはずである。
私達は、全脊椎XPの側面像を静止立位と1歩後ろに足を引いた歩行位のX線を撮影してその変化を検討した。
止立位でC7からの重心線(SVA)が股関節中心の後方にあるグループでは歩行時重心線はほとんど股関節後方に位置し、前方にある群はさらに前方に移動していた。
しかし、SVAが100cmを超える場合には、約半数で、歩行時歩幅を十分とることはできず、SVAは減少するという状態を認めた(図)。
骨盤は静止立位ですでに後傾、股関節は過伸展しているので、歩行時の代償機能は無く膝と足関節に負担がかかっていた。
腰曲りでの支持なし歩行困難の病態であろう。今後個人固有の角度であるPIと歩幅、PIと立ち上がり姿勢について検討したい。
先日、脊椎の研究会で豊根教授の講演を聞いたが、Schwabのグループからの発表で下記が紹介された。
下肢長差があって、側面画像の計測が困難な場合に有用である。
仙骨大腿恥骨角;he sacro-femoral-pubic angle (SFP angle)が、PTと強い相関関係を持ち、PT=75-(SFP angle)となることが述べられている。