6月後半② 大理石病のX線像

下記は、集談会で東儀先生が発表した内容からの引用です。
ラグビージャージスパインを記憶してください。 大理石病は、破骨細胞の機能不全により石灰化軟骨が未吸収のまま残存し、全身の骨が硬化する遺伝性疾患です。破骨細胞は、通常インテグリンの働きにより骨基質に接着し波状縁と呼ばれる膜構造を構成し、カテプシンKや酸の分泌による骨吸収が行われるが、それらの産生、分泌異常により大理石病が発生します。X線所見はrugger jersey spineやsandwich spineと呼ばれるような著明な密度増強巣や骨硬化像を呈します。


 

6月後半 選択実習

医学部6年生の選択臨床実習が終了しました。今年から文部省の教育方針により臨床実習を増やすこととなり、各4週間で3つのコースを選択しています。整形外科では、関節、脊椎、スポーツのコースがあり多くの医学生がこの3か月間臨床実習を行いました。実習した最後には、担当した患者さんから暖かいコメントをいただくこととなっています(任意ですが)。来年は、研修医として整形外科に来てくれるのを待っています。


 

6月前半 骨代謝と物理刺激

神経伝達に電気が関わることはよく知られているが、骨の形成にも電気が関係することはあまり知られていない。それを発見したのは、日本人の世界で誇るべき科学的研究であることも意外と知られていない。骨に圧力が加わると、そこに電位が発生して骨を形成する骨芽細胞と、破骨細胞があつまり、しかるべく自然に対応した形の骨が形成されてくるという。近年、整形外科分野において、電磁場を初めとした物理刺激に関する数多くの研究がなされるようになった。特に骨癒合促進効果に対する有用性は実臨床的に証明されており、超音波や電磁場刺激は骨折治療として薬事承認されており、保険適応となっている。しかし、骨代謝に対する作用機序は依然として不明な点が多い。東京医大整形外科教室では、三浦教授の時代から骨代謝に対する物理刺激の影響について研究が行われている。最近では骨形成の細胞レベルでの実験系を作成し、物理刺激の影響を検討している。今後は、電磁場を用いて刺激時間、頻度、刺激パターンなど様々角度からの刺激を与えることにより、より最適な刺激パターンの評価を行い、臨床の応用を目指す予定である。骨粗鬆症に対して、骨密度を上げるのは薬だけでなく、骨への物理的刺激が重要であることを立証してゆきたい。