学術関連 TPA
SVAは、C7からの垂線で体幹の前傾を示す指標となっています。
しかし、股関節や膝関節の姿勢の影響を受けるので、下肢も含めた全体像を見た方が良い場合には良いのですが、脊椎から骨盤の曲がりのみを見たい場合には不正確となってしまいます。
T1と股関節中心、仙骨中枢終板中央を結んだ角度をTPAと呼んでいます。
20度以上になると、ODI40点以上となるようです(参考:Protopsaltis T et al. JBJS 2014)
脊椎アライメント
東京医科大学整形外科脊椎班では脊椎矢状面アライメント研究を行っています。
「アライメント」とは配列という意味で、脊椎冠状面アライメントは正面像での側弯の評価、矢状面アライメントは側面像での弯曲の評価になります。すなわち”猫背”や高齢者の”腰曲り”も脊椎矢状面アライメント異常であり、様々な研究により、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア、圧迫骨折などの脊椎疾患や変形性股関節症など下肢関節疾患における発症や進行にも脊椎矢状面アライメントが関与することが知られてきました。さらに最近では性差、人種差だけでなく、個々の骨盤形態によって適正な脊椎矢状面アライメントを評価できるようになってきました。
今後も、個々の患者さんに対し、さまざまな疾患や手術に際し”長持ちする脊椎配列“を提供できるオーダーメイド医療が行えるよう、脊椎アライメント研究を進めています。