骨粗鬆症による圧迫骨折が発生し、骨折は、通常6週間で痛みが改善しますが、その部分の骨癒合が得られない場合には腰痛が持続します。
強い腰痛の場合は、歩くことが困難となり、日常生活に大きな不便となります。その場合には、手術して固定することもありますが、大きな手術となるために、人工骨のようなペースト、セメントを骨折部分に入れて固めることができます。 骨折の部分の動きが小さくなるために痛みが減少するという原理です。
根治手術と異なり、100%ではありませんが、侵襲が少ないため、ご高齢の方には便利です。比較的稀であるが、骨セメントによる神経や脊髄の圧迫による症状の悪化、骨髄炎、セメントの静脈への流出による肺梗塞や、ショックの報告があります。

下図のようにしてペーストを挿入します。

東京医科大学 整形外科 遠藤健司
参考図書:
日本人の腰痛(丸善出版):遠藤健司著