9年目医師の医局&関節班紹介

 

現在,関節班に所属する2015年度入局の日下部拓哉です.スポーツ・関節鏡班の関健先生よりバトンを頂きましたので,今回担当させて頂きます.

私は2013年に東京医科大学を卒業後,神奈川県川崎市にある関東労災病院で初期研修を行いました.研修中に整形外科以外の科に興味を持つこともあり,科の選択には大変迷いましたが,医学生時代に硬式テニスで怪我をしてお世話になったこと,全身を診て患者さんの生活を助けるという魅力から,当初志していた整形外科を選びました.今振り返っても整形外科を選んで良かったなと思っています.

私は,整形外科1年目は本院で各グループをラウンドした後,2年目は茨城医療センター,3年目は多摩丘陵病院,4年目は本院で脊椎班,5年目は信濃医療福祉センター,6年目は八王子医療センター,7年目の現在は本院の関節班に所属しています.色んな病院で働くことは大変勉強になりました.病院ごとにその地域における役割があり,様々な形の医療が学べます.都会っ子だった私ですが,地方での生活はとても楽しかったです.

臨床以外に研究も行っています.1年目の時からアメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校やサンフランシスコ校の見学をさせていただき,大変刺激になりました.脊椎の研究では熱心にご指導いただいた先生方のおかげで第48回日本脊椎脊髄病学会Best Paper Awardという過分な賞をいただき,The International Congress of Korean Society of Spine Surgery 2021という国際学会のTraveling Fellowにも選出いただきました.大学院生としては実験室に通いながら腰痛制御に関する基礎研究も行っています.現在は関節の研究も始め,脊椎班での経験も活かしてHip-spine syndromeやKnee-spine syndromeといった脊椎と股関節や膝関節の関係性に興味を持っています.

写真:サンフランシスコ校 Medical Center

 

写真:サンディエゴ校の宇宙船のような図書館

 

さて,ここで関節班の仕事を少しご紹介します.当科は臨床において主に外傷班,関節班,上肢・腫瘍班,スポーツ・関節鏡班,脊椎班の5つに分けられており,合同でのカンファレンスも行いながら連携し,治療を行っています.関節班は主に加齢に伴う股関節や膝関節の変性疾患を持つ患者さんに対して人工関節置換術を行い,患者さんが再び痛みなく日常生活を送れるようになることや,旅行や軽い運動まで楽しむことが出来るようになることを目指しています.新宿にある大学病院ですので,関節リウマチや血友病など全身性疾患に伴う症例や,骨欠損や変形の強い難症例なども集まってきます.日本人工関節学会認定医が5人もいますので,そうした難症例にも立ち向かい,満足した結果が得られるよう取り組んでいます.毎週水曜日に行われる関節班カンファレンスでは,翌週の手術症例検討を行い,各症例に応じて最善の手術加療が行えるよう議論し,同時に若手整形外科医の育成にも力を注いでいます.2020年5月には当院に「人工関節センター」が立ち上がり,ますます人工関節治療に力を注いでいます.

患者さんの痛みが取れて元気になっていく姿を見るのはとても嬉しいです.これから整形外科を選択しようか悩んでいる研修医の先生,是非当科の見学に足を運んでいただけたらと思います.

写真:2021年度関節班メンバー