今回2022年7月8、9日に石川県金沢市で行われた第45回日本骨・関節感染症学会に参加したので報告します。

入局1年目の日整会以来の金沢での学会&久しぶりの現地開催にて初心を思い出す気持ちで学会に臨んだ。まず金沢駅の変わりぶりに驚いたが、自分の入局1年目からの体型も同じように変わっているためある意味納得。。金沢駅は世界で最も美しい駅14駅の1つに選出されているみたいだが、残り13駅が気になりなかなか寝付けないまま初日を迎えた。朝一のセッションからシンポジウムに正岡利紀Drの“PJI予防のための手術室環境・術中洗浄”と主題に立岩俊之Drの“手術室エリア外で着用したスクラブの汚染”、“ハンディ紫外線照射装置による手術台の除菌効果”の発表が同時進行であった。朝から悩ましい選択であったが、初心にかえって上の先生の発表を優先したのは言うまでもない。その後世界的に有名なDr Parvisiの講演に感動しつつ、ランチョンセミナーでは横市の小林先生の講演を聴き、VCMパウダーやトラネキサム酸がPJI予防においてメタ解析で有用であると報告され、知識をアップデートすることができた。午後になり自分の発表“人工股関節置換術後感染におけるDAIR治療成績”となったが、直前に大きなニュースが報道され、ショックから発表の記憶はあまり残っていない。最終日は脊椎Gリーダーの西村浩輔Drが満を持して登場。“頸椎手術後のsurgical site infection (SSI)に対する検討”で発表予定であり、朝一から滑舌良く終わったことを期待したい。今回の学会で印象に残った言葉は、PJI治療において最後の判断(抗菌薬、術式選択など)は、術者(整形外科医)が決めるということ。感染症科は色々suggestionしてくれるが、最後的な責任は我々が持つ。そのためには今回の学会のようにPJIに対する知識や最新のアップデートは常に必要であり、患者さんとは真摯に向き合うことが大切だと改めて感じた。日々の診療において決して初心(初診も)を忘れず、これからも成長していきたいと思う。

 石田常仁