5月後半② 初期研修

今月は、初期研修医の岩城先生が、歩行分析について立派なプレゼンをしてくれました。医師になって最初の2か月間を整形外科ですごし、いろいろな出来事が忘れ得ぬ想い出となることだと思います。研修発表は、歩行分析の意義、手術前後の歩行状態の変化についてビデオと床圧力計を用いた解析、疼痛性歩行障害と中枢性歩行障害について興味深い知見を得ることができました。来年再度、整形研修を積む時は学会発表ができるレベルまで上げることができそうです。
また、5月26日から医学部6年生の選択臨床実習で高くん(柔道部)と高橋くん(バスケ部)が脊椎班に加入いています。歩行リハビリと分析、手術preparation、縫合など、実践に役立つ実りのある4週間となるよう頑張りましょう。
写真は、検討会発表する岩城先生です。

 

5月後半 肩こり

肩こりは、厚生省の有愁訴率で女性第一位、男性第二位となるくらい国民の多くにとって身近な存在です。肩こりは、肩の痛みや不快感だけでなく、眼精疲労、集中力低下、めまいや頭痛など多彩に症状に影響を与えます。 従来から、肩こりは首の後ろを支えている筋肉の緊張ではっせいする慢性痛の一種と考えられていました。筋肉の緊張が、筋内を走る血管を圧迫して血流障害は発生します。血流の流れが悪くなると、筋肉に行くべき酸素の量が減少したり、乳酸などの疲労物質が蓄積してしまいます。それらによって発生した筋肉痛が新たな筋緊張を発生させて悪循環が形成されます。 最近の姿勢と疼痛に関する研究によって、肩こりは、首の前を支える鎖骨の位置によっても影響があることがわかってきました。

そもそも、鎖骨はどんな役割をするのであろうか? 鎖骨は、体の中央から左右に2本存在し、胸を左右に広げるためのつっかえ棒の役割をしています。そのため、鎖骨骨折などで鎖骨が短くなってしまうと肺のふくらみも小さくなってしまいます。鎖骨は、中央は胸骨、外は肩甲骨とつながっているため、腕が下がったなで肩の状態となると肩甲骨の下垂に伴う鎖骨外側の下垂が発生するため鎖骨が水平化したさがり鎖骨の状態となります。なで肩、ストレートネックが肩こりの素因と言われますが、ストレートネックによって首の筋肉が延ばされ、なで肩によって下方に懸垂されることで、首周囲の筋肉の緊張が高まってしまうのです。

肩こりの対策には、昔からいろいろなものがあります。 代表的なものは、入浴です。お風呂に肩までつかって温めることで筋肉の血流を改善させることで疲労をとることができます。また、マッサージによっても同様な効果が期待されます。しかし、お風呂とマッサージではその時だけでなかなか根治には至りません。 体の深いにある筋肉をほぐすためには、筋肉のついている骨を動かすことが大切で、コアマッスルを動かすための肩こり体操が治療の中心となります。その際に、前は鎖骨、後ろは肩甲骨を良く動かすことを心がけることが大切です。

 

5月前半 初期研修医、生川先生脊椎班研修感想

医師として最初の一ヶ月間を脊椎班で研修させて頂き、大変勉強になりました。入職したばかりで右も左も分からない私に、先生方はご丁寧にご指導してくださり、技術的、学術的な部分のみならず、医師としての姿勢や社会人としての心構えに関しても毎日勉強になることばかりでした。
特に勉強になったのは手術でした。脊椎手術で使用する器具は、どれも見たことの無い物ばかりでしたが、先生方が一つひとつご教授くださり、最初は見惚れているだけの手術も一ヶ月手術に参加させて頂いて、最後の手術では自分の中で手順や操作をイメージしながら参加することが出来、大変勉強になりました。外科手技に関してもご指導頂くだけでなく、実際に経験させて頂き、もともと外科志望ではありましたが、更に外科に魅力を感じました。脊椎班で過ごした一ヶ月間は本当に勉強になり、大変充実した一ヶ月間でした。
今後、医師として向上心を忘れることなく、日々邁進していきたいと思います。今後ともご指導の程よろしくお願い申し上げます。

 

初期研修医 生川知佳 拝

 

生川先生が医師として最初の1ヶ月を過ごし大変だったことと思います。これから精進して良い医師となれるよう頑張ってください。