2月 後半 手術見学

医療の進歩は、近年目ざましいものがあります。大学病院では、最先端の医療を実施するための臨床、基礎研究を行っていますが、それだけではなく他施設の最先端を積極的に学ぶようにしています。今月は、腰椎椎間板ヘルニアに対するレーザー治療(PLDD: Percutaneous Laser Disc Decompression)について当科OBの宮島久幸先生、頸椎症に対する顕微鏡手術について広島大関連病院である安佐市民病院の藤原先生のところに新進気鋭の医局員が手術見学に行きました。手術見学を通して、一流の先生達の診断、治療、説明と多くのことを学ぶことができ、明日からの医療に役立てます。

2月 前半 学位(Ph.D.)について

「学位って何の役に立つの?」よく質問を受けます。

医師(M.D.)の仕事には、すでに病んでいる患者さんに医療を行うことと、治らない病気やこれから病気にならないよう予防するための研究を行うことの2つの側面があります。病院にいると前者のことばかりが目につきますが、後者もとても大切なことです。ただし、後者はすぐに結果がでないので容易でなく、いままでの治療と治療結果を整理し、他の分野の情報を得ながら考えなければなりません。そのプロセスを学ぶのが学位習得過程で、英文、統計、科学論理を習得し終了した人が医学博士(Ph.D)となります。学位を持つことで、目の前の事だけでなく、広く社会に役立てる可能性がでてくるわけです。日本の近代化は実学主義的傾向が強いため、すぐお金にならない学位は軽視されていますが、ヨーロッパではPh.Dは研究職としても尊敬され、アジアの国々の多くは、Ph.Dを持たなければ主要病院のスタッフにはなれません。
長い人生、信用ある医師として広い分野で役立とうとするならば、若いうちにしっかりと勉強して自分のコアcoreを形成するために学位(Ph.D)を所得することは役にたちますよ。

2月 前半 初期研修医

 寒さのピークは峠を越えたようです。
今月は、脊椎班に初期研修医2年目の森本先生が1か月間の予定でやってきました。初期研修医終了後は実家のある金沢へもどるとのことですが、残り2か月の東京生活を精一杯やるそうです。初期研修医の一番の目標は、スクリーニングとしての脊椎疾患を鑑別できることが重要で、内臓からくる腰痛、動脈瘤破裂などで発生する背部痛を疑いながら治療を進めることを学んでもらいます。
X線、MRI、CTなどの画像診断の読影も大切です。手術においては、手術プランを作成し、術野では正確に迅速に、止血、創縫合ができるようになります。
短い期間ですが、これからの医師としての生活の役にたててもらえるよう脊椎班一同応援します。